チップネットワーク　特徴

異種抵抗の組み合わせでも優れた相対性能を持っています

YDSの薄膜チップネットワーク抵抗器は高精度薄膜の優れた特性に加え、優れた相対性能を持っています。チップネットワーク抵抗器はスパッタリングにより抵抗膜を形成し、パターンニングと高精度レーザートリミングにより抵抗値を決定しています。同一基板上の素子は薄膜で形成されており、全く同じ特性を持っていますので、相対抵抗温度係数、熱ストレスなどによる経時的な変化の傾向も同じとなり、常に一定の相対比を維持する特性があります。この相対性能は同一抵抗はもちろん、異種抵抗の組み合わせでも同様です。電力や用途に合わせ多くの形状を用意しており、ご要求の仕様をカスタムで対応することも容易です。調整作業の軽減や部品点数の削減によるコストメリットと回路性能の向上を提供します。

・相対特性が優れています。　＜実力：相対抵抗値誤差±0.05%　相対抵抗温度係数±2ppm/℃＞
・同一抵抗値はもちろん異種抵抗値でも高い相対精度を保証します。

・高精度薄膜で構成されており、高い精度と安定性を持っています。

・コ字電極を持った面実装タイプですので自動実装が容易です。（テーピングで提供されます）

・一部のチップネットワーク抵抗器は更に実装面積が小さいフェイスダウン取り付けタイプで提供します。

・薄膜製法により、ロット内・ロット間バラツキが小さく常に一定の特性を提供します。　

・優れた相対精度を安価に提供することが出来ます。

・電力、用途に合わせ豊富な種類を用意しており、様々な回路に適合します。

面実装タイプの小型高密度品、コ字電極端子の標準品、凹型金メッキ電極で形成された高精度高密度抵抗アレイなどを用意しております。各タイプとも異種抵抗値の制作及びカスタム回路への対応が可能です。

品種名	サイズ	端子数	素子数	抵抗値範囲	相対抵抗値	相対TCR	端子材質
RA2020	2.0×2.0×0.4	6	3 or 4	100～100KΩ	±0.1%	±5ppm/℃	金
RA1632	1.6×3.2×0.4	8	4	50～100KΩ	±0.1%	±5ppm/℃	金
RA4556	4.5×5.6×0.4	8	4	50～200KΩ	±0.1%	±5ppm/℃	金
RN1220	1.25×2.0×0.4	3 or 4	2 or 3	50～20KΩ	±0.1%	±5ppm/℃	はんだ
RN1632	1.6×3.2×0.4	3 or 4	2 or 3	50～100KΩ	±0.1%	±5ppm/℃	はんだ
RN2632	2.6×3.2×0.4	3 or 4	2	50～100KΩ	±0.1%	±5ppm/℃	はんだ
RN4556	4.5×5.6×0.4	3 or 4	2	50～200KΩ	±0.1%	±5ppm/℃	はんだ

抵抗値の相対比精度が求められる回路では、個別抵抗器の絶対精度の優れた物を使用するケースが多いと思います。例えば相対抵抗比で0.2%を要求する場合、絶対精度±0.1%の抵抗で組み合わせる必要があります。抵抗温度係数も同様に10ppm/℃の相対比が必要であれば絶対精度±5ppm/℃の抵抗を組み合わせる必要があります。YDSの薄膜チップネットワークは同一基板上に同時に薄膜抵抗体を形成する技術により制作されますので、ネットワーク内の相対性能が優れています。
　図-1に増幅回路での単体抵抗の組み合わせによる誤差の発生とネットワーク抵抗器の比較を示します。
　図-2に標準的な相対性能データを示します。

YDSの薄膜ネットワーク抵抗器は抵抗対が同時に形成され全ての加工が同一条件で加工されることから、ストレス及び時間経過による抵抗比の変化がない特徴を持っております。（ストレスや時間経過で絶対値の変動があっても相対値はほとんど変化しません）　［下図に寿命試験(70℃定格負荷断続印加)での絶対値変化と相対値変化データを示します］