Thermal Variable Attenuator  PXV1220S

 

<アプリケーション>

高周波増幅回路の温度補正

一般に高周波増幅回路に使用されるGaAs増幅素子などは温度上昇に伴い増幅量が低下する傾向があります。(図の黄線で示しますように温度上昇により増幅量が減ります)
PXV1220S温度可変減衰器は温度の上昇に伴い減衰量が減る特性を持っています。(図の青線で示しますように温度上昇により減衰量が減ります)

PXV1220Sを増幅回路に直列に接続することにより、温度変化に伴う増幅器での増幅量変化分を補うことができます。これにより出力レベルは温度に依存しない一定の出力を得ることが可能となります。(図の紫線で示しますように一定の出力が得られます)

PXV1220S温度可変減衰器は受動素子ですので外部からの制御などは必要ありません。温度を感知し自ら減衰量を変化させる素子ですので、極めてシンプルに温度補正が可能となります。

 

 

他方式との比較

 出力量を監視しながら情報をフィードバックして一定の出力になるように制御する方法が考えられますが、部品点数が多くなることなどで比較的高価で複雑になることが考えられます。この方式でも一定のゲイン低下が発生しますのでPXV1220Sを使用した場合のゲイン低下とさほど変わらない場合があります。またゲイン以外の制御を同時に行う場合でもPXV1220Sを使用することにより、温度に関する要素をなくすことが可能となり制御が簡素化されます。

 予めプログラムされた情報を基に制御する方法も考えられますが、多くはデジタル的な制御になるため連続的な制御ができないことと初期的にかかる費用及びコストが高くなることが考えられます。